キャットフードは様々な原材料から作られています。

原材料表記を見ると、「コーングルテンミール」というものが使われていることがしばしばあります。

文字通り、コーン(とうもろこし)由来の原材料だろうということは誰でもわかるかと思いますが、コーングルテンミールとは一体どんなものなのか?

また、キャットフードの原材料として使用された場合にどんな機能や特徴があるのかを紹介します。

コーングルテンミールとは

コーングルテンミールは、穀類に分類されるペットフードの原材料の1つです。

コーン(とうもろこし)からコーンスターチ(とうもろこしのデンプン部分)を製造する際に、高タンパク質含有部分を分離して生成されたものです。

穀類でありながら、タンパク質源として利用されています。

キャットフードに求められるタンパク質量

猫は完全肉食動物ですので、食餌から非常に多くのタンパク質を摂取する必要があります。

AAFCO(Association of American Feed Control Official:米国飼料検査官協会)が定めるキャットフードに求められる乾物量あたりのタンパク質量は、成長期で30.0%以上、維持期(成猫期)で26.0%以上となっています。

このような高いタンパク質含有量を満たすためには、キャットフードの原料の大部分はタンパク質源となっている必要があります。

キャットフードのタンパク質源としては、肉類や魚類の他に、コーングルテンミールや小麦(小麦グルテン)などが使われています。

キャットフードの原材料にコーングルテンミールを利用することのメリット

コーン(とうもろこし)は、世界中で最も大量に生産されている穀物で、その生産量は小麦や米を遥かにしのぎます。

さらに、コーングルテンミールは、デンプン(コーンスターチ)を精製する際の副産物という側面もあるため、原材料として安価に調達することができます。

コーングルテンミールは動物性の原料と比較すると、脂質が少なくて低カロリーなタンパク質源です。

また、尿路結石の原因となるマグネシウムなどのミネラル分が少ないという特徴もあります。

コーングルテンミールは製造面でも利点があります。

ドライフードのキャットフードは、一般的にエクストルーダーという機械で製造されています。

コーングルテンミールは他の原材料とも均一に混ざりやすく、均質で安定的に製造しやすくなります。

コーングルテンミールに含まれているアミノ酸

タンパク質は、多数のアミノ酸が結合してできています。

アミノ酸には、体内で生合成ができる「非必須アミノ酸」と、体内で合成できず食餌からの摂取が必要不可欠な「必須アミノ酸」に分かれます。

必須アミノ酸は摂取するタンパク質にバランスよく含まれている必要があり、どれか1つでもその含有量が少ないと、それに引きずられて他のアミノ酸も体内で利用できなくなってしまいます。

つまり、アミノ酸バランスの悪いフードばかりを食べると、大部分は体内で利用できずに糞として排出され、体内では欠乏状態となってしまうわけです。

猫の必須アミノ酸は10種類あり、キャットフードには全てがバランスよく含まれていることが望まれます。

必須アミノ酸のバランスを評価する指標に「アミノ酸スコア」というものがあります。

アミノ酸スコアとは、基準とする必須アミノ酸パターンとの比率を比較して100%未満のアミノ酸(制限アミノ酸)を調べ、最も数値の低いアミノ酸(第一制限アミノ酸)の数値を評価したものです。

肉や魚、卵はアミノ酸のバランスが優れており、アミノ酸スコアは”100″となります。一方で、コーン(とうもろこし)は、リジンやトリプトファンといったアミノ酸が少なく、アミノ酸スコアは69.4となります。

なお、小麦のアミノ酸スコアは41.7です。

アミノ酸スコアだけでコーンのタンパク質源としての評価をすると、小麦以上肉魚類未満ということになります。

前述のように、コーングルテンミールは脂肪分やミネラルが少ないという利点も多い原材料ではありますが、タンパク質源がコーングルテンミールだけだと、リジンやトリプトファンが不足し、結果として他の必須アミノ酸も十分な量を体内で利用できなくなってしまいます。

これを避けるために、キャットフードの原材料としては、肉類や魚類といった動物性タンパク質と組み合わせて、不足分を補う必要があります。

 

原材料として、コーングルテンミールの割合が大きいほど、アミノ酸のバランスは悪くなってしまいますので注意が必要です。

肉類や魚類といった動物性タンパク質がメインとして使われている場合は、単独で優れたアミノ酸バランスとなっていますので、コーングルテンミールなど植物性のタンパク質源を補う必要性はありません。

*筆者 ryooooo.co 紹介*

動物看護士として働く傍ら、人間と犬や猫がもっと楽しくお互いが幸せに暮らせるように、医療に限らず犬猫の食・法律・暮らしについて日々勉強しています。