キャットフードのパッケージなどに記載されている成分をみると、「灰分」もしくは「粗灰分」というものが必ずあります。

併記されている「タンパク質」「脂質」「粗繊維」「水分」などと比べると馴染みのない言葉なので、どんなものか疑問を思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

灰分とは何か?灰分が猫の健康に与える影響を解説します。

灰分とは

「ペットフードの表示に関する公正競争規約」において、キャットフードには、成分の表示をすることが定められています。

表記が義務付けられているものは、「タンパク質」「脂質」「粗繊維」「灰分」「水分」です。

タンパク質と脂質については何%以上含まれているか、粗繊維、灰分、水分については何%以下かを記載する必要があります。

「灰分」は、「炭水化物」「タンパク質」「脂質」「ビタミン」と並ぶ5つの五大栄養素のひとつです。

「灰分」というと聞きなれない言葉ですが、実は「ミネラル」のことを意味します。

ミネラルとは、整体に含まれている元素のうち、炭水化物、脂肪、タンパク質など有機物の主要な構成成分となっている炭素、窒素、酸素、水素を除いた元素のことで、無機質ともいいます。

ミネラルは、焼却した後の灰の中に多く含まれているため、「灰分」とも呼ばれています。

キャットフードの灰分量の分析は、直接灰化法と呼ばれる方法で測定されます。

これは、キャットフードに含まれる有機物を完全燃焼させることで、残った無機物(=灰)の重量を測定するという手法です。

こういった手法で測定することもあり、キャットフードの成分表記には「灰分」の名称が使用されています。

燃焼した後に残ったものの重量を測定するので、最大でも何%含まれているかがわかります。

よって、表記としては何%以下と記載されることになります。

灰分(ミネラル)の役割

灰分(ミネラル)は五大栄養素のひとつですから、猫にとっても必要な栄養素です。

ミネラルは、摂取しなくても健康上問題のない「非必須ミネラル」と、摂取しないと欠乏症を引き起こす「必須ミネラル」に分けられます。

さらに、「必須ミネラル」はその体内に存在する量に応じて、「多量ミネラル」と「微量ミネラル」に分けられます。文字通り、体内に存在する量が多いものが「多量ミネラル」、少ないものが「微量ミネラル」です。

多量ミネラルは、

カルシウム(Ca)、リン(P)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、塩素(Cl)、硫黄(S)、マグネシウム(Mg)の7つ、微量ミネラルは、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、セレン(Se)、ヨウ素(I)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ヒ素(As)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、バナジウム(V)、フッ素(F)、スズ(Sn)、リチウム(Li)

の17個です。

ミネラルは、

・歯や骨などの構成成分となる
・血液や体液のpH、浸透圧を調整する
・酵素やホルモンの構成要素になる

といった体にとって重要な役割を果たします。

 

灰分(ミネラル)の欠乏・過剰

ミネラルは、体内で必要とされている適切な量があります。 ミネラルが欠乏または過剰となると、健康状態に影響が生じます。主なミネラルの欠乏症や過剰症には、次のようなものがあります。

カルシウム (Ca)
欠乏:骨格異常(発育障害など)、筋肉痙攣、てんかんなど
過剰:骨格異常(骨軟骨症など)、嗜眠など

リン(P)
欠乏:成長遅延、食欲不振、骨変形など
過剰:カルシウム不足

カリウム(K)
過剰:尿毒症など

ナトリウム(Na)
過剰:嘔吐、粘膜の乾燥など

マグネシウム(Mg)
欠乏:神経障害、高血圧、食欲低下など
過剰:尿石症など

鉄(Fe)
欠乏:発育不良、粘膜蒼白、下痢、貧血など
過剰:嘔吐、下痢など

亜鉛(Zn)
欠乏:発育不良、皮膚・被毛の異常、食欲低下など
過剰:鉄、銅の不足

銅(Cu)
欠乏:貧血、被毛の脱色など

このように、ミネラルは摂取量が不足すると、欠乏症の症状が出ますが、過剰に摂取しても身体にとって毒物となります。

総合栄養食のキャットフードには、健康を維持する上で必要な量のミネラルが含まれていますので、明確な理由もなく、適正量を理解しないまま安易にサプリメントなどでミネラルを摂取すると、過剰摂取となり健康に悪影響が出ることがありますので、十分な注意が必要です。

 

*筆者 yukiya.hi 紹介*

動物好きが高じてペットフード販売業を営む。大切な家族の一員として、体に良いペットフードをあげたいけれど、どうやって選べばよいのかわからないという飼い主さんに、カウンセリングを通して最適なフード選びを提案しています。