キャットフードについて少し知見のある人であれば、「グレインフリー」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
高品質なキャットフードの象徴的なワードでもあるグレインフリーフードですが、
グレインフリーとはそもそも何なのか? 猫にはグレインフリーが望ましいのか?
猫の食生活の観点から、その影響について解説します。
グレインフリーとは
グレインとは、穀物のことです。つまり、グレインフリーフードとは、穀物を使用していないフードのことを意味します。
人間の食生活においても、グルテンフリーという言葉が流行っています。
グルテンというのは、小麦などに含まれている、イネ科の植物由来のタンパク質の一種です。
消化不良やアレルギーの原因となりやすいということもあり、健康志向の人の食生活において注目されています。
グルテンフリーは、小麦等のグルテンを含む食物のみを除いたもので、米や玄米などグルテンを含まない穀物はOKです。
グレインフリーでは、さらに制限が厳しく、穀物全般を含みません。
グレインフリーフードでは、小麦やトウモロコシ、米などの代わりに、イモ類や豆類など、穀物でないものが使用されています。
猫は完全肉食動物
猫は元来、ハンティングした動物の肉だけを食べて生活してきた動物であり、完全肉食動物です。
人間や犬などの雑食動物と比べると、圧倒的にタンパク質を必要としており、逆に炭水化物は必要としていません。
※猫にとって炭水化物は必須ではありませんが、40%程度の量まではエネルギー源として利用することはできます。
完全肉食動物なので、本来は穀物を食べない動物です。
こういった背景から、グレインフリーフードは、猫本来の食生活に近いキャットフードということになります。
猫は、本来は穀物を食べない動物ですので、キャットフードに穀物由来の成分が多いと、消化不良を起こしてしまうケースもあります。
穀物を消化するのが苦手な猫にとっては、グレインフリーフードは望ましいキャットフードです。
また、多くはありませんが、穀物自体にアレルギーを持っている猫もいます。
当然ですが、穀物アレルギーの猫の場合は、グレインフリーフードが唯一の選択肢となります。
グレインフリーフードの特徴
グレインフリーフードは、高タンパク質、高脂質、程炭水化物のものが一般的です。
穀物を使用していないため、必然的に肉類や魚類の割合が多くなるためです。
穀物の代わりには、イモ類や豆類などが使用されています。
こういった成分の特徴から、比較的高カロリーなフードが多くなっています。
栄養価が高いフードを、節度をもった量を与えるというのに適しています。
グレインフリーフードが向いていない猫
グレインフリーフードは一般的に高タンパク質ですので、腎臓病や肝臓病など、タンパク質の量を制限する必要がある猫の場合は、負担をかけてしまいますので向いていません。
また、高齢の猫や、運動量が少なくて肥満の猫なども適さないケースが多いです。
もちろん、グレインフリーフードといっても、その成分は様々です。成分をしっかりと確認して判断することが大切です。
まとめ
グレインフリーフードは、猫本来の食生活に近い良質なキャットフードです。
特に、若くて健康な猫にとっては望ましいフードといえるでしょう。
しかし、グレインフリーといってもその原材料や成分は様々です。
グレインフリーだからといって、全ての猫に適しているわけではありませんし、全てのグレインフリーフードが良いキャットフードであるということでもありません。
重要なことは、グレインフリーという言葉に踊らされずに、使用されている原材料と成分をしっかりと確認して、愛猫に適したフードであるかを客観的に判断することです。
*筆者 yukiya.hi 紹介*
動物好きが高じてペットフード販売業を営む。大切な家族の一員として、体に良いペットフードをあげたいけれど、どうやって選べばよいのかわからないという飼い主さんに、カウンセリングを通して最適なフード選びを提案しています。