私たち人間にとって、野菜を沢山食べることは健康的なイメージがあります。

厚生労働省では、1日あたり(生の状態で)350g以上の野菜を摂取することを推奨していますが、国民平均で70g程不足しているとされています。

人間にとって野菜を食べることは、必要な栄養素を摂取するという面からもとても重要なことですが、これは猫にも当てはまるのか。猫に野菜は必要なのかを解説します。

そもそも野菜とは

野菜というものの定義は曖昧で、食用の草木植物を意味します。

根菜類、茎菜類、葉菜類、果菜類、花菜類に分類されます。

ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれていることが特徴です。

猫の食性

猫は完全肉食動物です。

元来、動物性のもののみを食し、植物性のものは基本的に摂取しないのが自然な食生活です。

消化や、体内での栄養素の合成の機構も、そのような完全肉食の食生活に適応しています。

猫が完全肉食動物であり、植物性のものを食べないことを示す一例として、猫は体内でβ-カロテンをビタミンAに変換できないという特徴があります。

β-カロテンは、ニンジンやかぼちゃ、ブロッコリーなどの野菜に多く含まれている成分で、雑食性の動物であれば、β-カロテンを体内でビタミンAに変換することができます。

つまり、雑食動物にとってはβ-カロテンはビタミンAの前駆体になります。

人間はもちろん、犬もβ-カロテンをビタミンAに変換することができますが、猫はそれができません。

このため、動物性の食物から直接ビタミンAを摂取する必要があります。

猫に野菜が必要か?

猫が健康に生きていくために必要な栄養素を摂取できて、健康上問題がないかという観点のみから、「野菜が必要」or「野菜は不要」の2択に答えるとしたら、「野菜は不要」ということになります。

猫が植物性のものからしか摂取できない栄養素が一切不要かというと、そういうわけではありませんが、自然界において、猫は草食動物を内蔵ごと食べることで、必要な分を摂取していました。

総合栄養食のキャットフードには、猫が必要としている栄養素がバランスよく含まれていますので、健康上はキャットフードと水だけで何ら問題はありません。

猫に野菜を与えることのメリット・デメリット

猫に野菜を与えることのメリット

猫にとって野菜が必要か不要かといわれれば不要なわけですが、野菜を食べることは猫にとってメリットもあります。

野菜に含まれる食物繊維は、腸内環境を良好にする働きがあります。

ビタミンやミネラルも、不足している場合は補うことができます。

猫に野菜を与えることのデメリット

実は、先にあげたメリットは、デメリットにもなり得ます。

総合栄養食のキャットフードを与えていれば、ビタミンやミネラルが不足する心配はあまりありませんし、逆に摂取量のバランスが悪くなったり、過剰摂取になる懸念もあります。

もちろん、総合栄養食のキャットフードでも、バランスが悪かったり過剰に配合されているものもありますが、無計画に野菜を与えることは、よりリスクを大きくすることになります。

食物繊維の量も、適したキャットフードを選ぶことの方が容易で確実に調節できます。過剰な食物繊維の摂取は、消化不良や下痢、便秘、嘔吐の原因にもなります。

さらに、野菜の中には猫にとって毒性を持つものも多くあります。

代表的なものとしては、長ネギや玉ねぎ、ニラなどのネギ属があげられます。

ネギ属にはアリルプロピルジスルファイドという成分が含まれています。

アリルプロピルジスルファイドは猫の血液中のヘモグロビンを酸化させることで、赤血球を破壊してしまい、貧血や血尿を引き起こします。

他にも中毒症状として、嘔吐・下痢や呼吸困難を引き起こすこともあります。

まとめ

猫は、人間や犬などの雑食動物とは異なり、完全肉食動物ですので野菜を必要とはしていません。

野菜が好きか嫌いかも個体差が大きく、猫によってまちまちです。

野菜が好きな猫にとっては、おやつにもなりますが、与え過ぎには注意して、少量に留めるのがよいでしょう。

 

*筆者 yukiya.hi 紹介*

動物好きが高じてペットフード販売業を営む。大切な家族の一員として、体に良いペットフードをあげたいけれど、どうやって選べばよいのかわからないという飼い主さんに、カウンセリングを通して最適なフード選びを提案しています。