キャットフードのパッケージを見てみると、原材料のひとつとしてコーン(トウモロコシ)が使われていることがしばしばあります。

キャットフードの原材料としてのコーンの特徴を、栄養や猫の食性といった観点から解説します。

キャットフードの原材料としてコーンが使用されているときの表記例

コーン(トウモロコシ)は世界で最も生産量の多い穀物です。

非常に安価な原材料なので、家畜飼料や、ペットフードの原材料としてよく利用されています。

キャットフードの原材料表記に、次のような記載があると原材料としてコーンが使用されています。

・コーン
・トウモロコシ
・コーングルテン
・コーングルテンミール
・コーンフラワー
コーンスターチ

このうち、コーンスターチはデンプン類で、他は穀類に分類されます。

トウモロコシの栄養

炭水化物

トウモロコシは穀類ですので、主に炭水化物からできています。

猫にとって炭水化物は必須ではなく、タンパク質と脂質中心の食事で十分に血糖レベルを維持することができますが、乾物量で40%程度の量までは炭水化物をエネルギー源として利用することもできます。

そのため、トウモロコシもエネルギー源として活用できます。

タンパク質

トウモロコシにはタンパク質も含まれており、トウモロコシからコーンスターチ(でん粉)を生成する際に得られるタンパク質部分のことをコーングルテンミールと呼びます。

コーングルテンミールは、脂肪分が少なく、マグネシウム等のミネラル分も少量しか含まないといった利点を持つタンパク質源となります。

ただし、必須アミノ酸のうち、トリプトファンやリシンの割合が少なく、アミノ酸スコアが低いため、コーングルテンミール単独ではタンパク質の体内で効率的に利用することができません。

猫の食性の観点からのトウモロコシ

猫本来の食生活

猫は完全肉食動物です。

元来、トウモロコシなどの穀物を食べる動物ではありませんので、猫の自然な食性という観点からは外れた食物になります。

そのため、原材料としてコーンが多くの割合を占めるキャットフードはあまり望ましくないといえます。

猫にとって、嗜好性もあまり優れないようです。

猫にとってのトウモロコシの栄養

コーンの割合が多くなると、炭水化物の占める比率が高くなるため、タンパク質や脂質といった猫にとってより重要な栄養素の割合が少なくなり、バランスが不適切になりがちです。

脂肪やミネラルが少ないということは、言い換えれば、ヘルシーで尿石症の原因になりにくいタンパク質源ということです。

このように、コーングルテンミールは補助的なタンパク質源としては価値のあるものですが、アミノ酸スコアの低さゆえ、タンパク質源のうちの多くの割合をコーングルテンミールが占めてしまうと、体内でのタンパク質の利用が非効率になります。

結果として、タンパク質の不足から筋肉量の低下や、皮膚・被毛の状態が悪化につながるといった懸念があります。

また、体内で利用できず排泄されるアミノ酸が増えるため、腎臓や肝臓にも負担がかかることとなります。

アレルギー

トウモロコシにアレルギーを持っている猫の場合は、当然のことながら原材料としてコーンが使われているキャットフードは不適切です。

トウモロコシにアレルギーがある場合、同様に他の穀物に対してもアレルギーを持っていることもあるため、穀物不使用のグレインフリーのキャットフードを選ぶのが無難でしょう。

まとめ

トウモロコシは、安価で栄養価も優れているため、キャットフードに補助的に利用するのであればよい原材料であるといえます。

ただし、肉食動物の猫にとって、トウモロコシばかりを食べることは栄養のバランスを崩すことに繋がります。

主原料として、肉類や魚類よりも多くトウモロコシが含まれているようなキャットフードはあまり望ましくありませんので、注意するとよいでしょう。

*筆者 yukiya.hi 紹介*

動物好きが高じてペットフード販売業を営む。
大切な家族の一員として、体に良いペットフードをあげたいけれど、どうやって選べばよいのかわからないという飼い主さんに、カウンセリングを通して最適なフード選びを提案しています。