猫ちゃんがキャットフードの原材料や添加物によってアレルギー(食物過敏症)を起こすことで、非常に苦労している飼い主さんは多いと思います。

また、猫ちゃんでもそういった病気があることを知らない飼い主さんが、”何故、うちの子はいつも下痢をするのだろう?皮膚が痒いのだろう?”と疑問に思って病院に来て、初めて病気の存在を聞かされる、ということも多いです。

猫の食物アレルギー(食物過敏症)とは

食物アレルギーはどの年齢でも発症する可能性がありますが、平均では2歳から6歳ぐらいと言われています。

季節に関係なく発症することが多いです。

主な症状は皮膚の痒みで、それによって自傷(自分で皮膚を引っ掻いて傷を作る)を伴い、出血してカサブタができたり、そこから二次感染を起こしたり、脱毛や外耳炎を伴うこともあります。

症状が出る場所は頭から首、更には全身へ、となることが多く、猫ちゃんの皮膚の痒みを主訴とした診察の半分は食物アレルギーと言われており、非常に多いことが伺われます。

また、中には消化器症状が出る猫ちゃんもいて、下痢や嘔吐、ガス(おなら)、などの症状が見られます。

皮膚の症状は、猫ちゃんに多いノミアレルギーと間違えやすいので、完全室内飼いであっても、病院では必ずノミの予防薬について聞かれることになります。

最近では猫ちゃんの食物アレルギーや療法食の研究が非常に進んで来た結果、そういった問題のある猫ちゃんにも安心して食べられるフードが多数販売されています。

猫がアレルギーを引き起こしやすい食材

猫ちゃんにとって、一番アレルギーを起こしやすい食材の3つは、魚、牛肉、乳製品と言われています。

これ以外にもアレルギーの原因(アレルゲン)となりやすいと報告があるものは、ラム、コーン、大豆、グルテンなどです。

どれもキャットフードには、割と多く使われているものですから、実際にフードを変えたとしても原材料が似たり寄ったりで、同じ食材をずっと食べ続けていることになる可能性もあるのです。

猫の食物アレルギーの原因

遺伝的に食物アレルギーを起こしやすいと考えられている猫種は、シャムやシャムの入った雑種系の猫ちゃんです。

いくつかの研究では、食物アレルギーを発症しているとされる猫ちゃんの約3割はシャム系であったと報告されています。

また、普通、食べ物が消化されると小さな分子になりますが、大きな分子のままである状態(消化不良)が続くとアレルギーに発展すると考えられています。

猫の食物アレルギーの診断と治療

皮膚検査や糞便検査などを行うことが必須ですが、これらから何も検出されない場合には、食物アレルギーを疑います。

また、皮膚症状のみの場合には、環境因子がアレルゲンであるアトピー性皮膚炎も考慮に入れます。

食物アレルギーと疑った場合まず最初に行うことは除去食と言って、今まで食べていた物を全て除去します。

多くの場合は、先に述べたようにキャットフードの内容は似た物が多い為、完全にアレルギーを起こしにくいと言われている療法食を約3ヶ月食べさせて、皮膚や消化器症状の具合を見ます。

この際に絶対に、おやつなどを与えない、人間のフードの盗み食い厳禁、多頭飼いしている飼い主さんは細心の注意を払って他の子のフードを食べさせない、という努力をしなければなりません。

また、外飼いをしている飼い主さんは、絶対に外に出してはいけないことになります。外で別のフードを食べてしまう可能性があるからです。

除去食を与えて効果があった場合には以前に食べていたフードにアレルゲンが含まれていることが明らかになり、今後は除去食を続けることになり、アレルゲンと疑われる食材は生涯避けなければなりません。

猫の食物アレルギーに関する注意

猫ちゃんは食にうるさい、難しい、というタイプの子が多いです。

キャットフードを療法食に変えると食べてくれない、という飼い主さんの悩みはよく聞きます。

しかしながら、最近ではフードの選択の幅はずっと広がり、また、どうしても食べてくれない場合にはホームメイドのフードに挑戦することも一つの方法です。

消化器症状が出ている場合には、アレルギーの陰に炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease、略して IBD)という病気も隠れていることがあります。

しかし何れにしてもフードコントロールは必須であり、獣医師の指導なしに他のフードを口にすることは絶対にできません。

くれぐれも、多頭飼いや外飼いの飼い主さんは注意して下さい。

 

*筆者 rihomeopath 紹介*

東京出身、獣医師、医学博士、ニューヨークで人と動物のホメオパシーを4年間学び、日本では小動物臨床を10年ほど経験。馬と牛の多いノルマンディーで、フランス人夫と田舎暮らし中。